ライター/角田真一

孤独死が発生し、誰にも気づかれないまま数ヶ月が経ってしまっていたというケースは多くあります。発見が遅れる理由として、「家族や身内と疎遠になってしまっている」「仕事をしていないために、人との交流がない」「団地の最上階に住んでいて、玄関の前を人が通る機会が極端に少ない」などです。このような理由で発見の遅れた孤独死は遺体の腐敗が酷く、室内の状況も原状回復をするのに相当な手間と費用がかかります。今回は、孤独死の現場の原状回復に必要な4つの作業ついてのお話しです。

孤独死の現場でやらなければならばいこと

■1.除菌をする

まず、最初にやるべきは除菌作業です。遺体から出た体液が床を汚し、遺体にまとわりついたウジやハエが体液を触って部屋中を移動するので床や窓はひどく汚れてしまいます。これらの害虫駆除も兼ねて除菌作業は念入りに行います。遺体発見場所を中心に、「安定化二酸化塩素」を部屋と家財にしっかり散布します。体液などの残置物は安定化二酸化塩素を散布してから拭き取るようにしてください。

【特殊清掃】孤独死の現場で必要な処置~安定化二酸化塩素による消毒除菌~

<安定化二酸化塩素による除菌作業事例>

作業人員1名
作業時間1時間~
作業料金18,000円~+消費税

■2.遺品整理をする

安定化二酸化塩素による除菌が完了したら、次は家財の撤去です。散布した薬液がだいたい乾いてきたら作業を開始してください。体液が付着した荷物は袋を二重にするなどしてから搬出しましょう。腐敗した体液は普段嗅いだことのない強烈なニオイです。このニオイを嗅いだら2、3日食事が喉を通らなくなる人もいます。

自分の衣類などに体液が付着しないよう気を付けましょう。死後1週間以上経過した現場では、遺体から離れた家財にもニオイが付着します。遺品によほどの想い入れがない限りは、必要な書類など以外に孤独死の現場にある荷物を形見分けとして持ち帰るのはやめたほうが賢明です。自宅に腐敗臭や菌を持ち帰ることになります。それでも持ち帰る場合は除菌と拭き取りをしっかりとやって、扱う際には手袋を着用するなど、十分に注意してください。

<ワンルームの遺品整理作業事例>

作業人員および車両2名と軽トラック2台~
作業時間1時間~
作業料金60,000円~+消費税

■3.脱臭をする

遺品整理が終わったら、脱臭作業です。現在、一番効果的とされているのが「オゾン発生器」を使った脱臭です。次の項目でリフォームを紹介しますが、リフォームをする前に脱臭をしておくほうが良いです。なぜならリフォームをする職人さんが入室する際に、空間にある菌を体内に吸い込む危険があるからです。脱臭作業は数日間かけて行われます。ワンルームでおよそ3日間くらいオゾンを発生させ続けて脱臭をします。

【特殊清掃】孤独死の現場で独特なニオイを取る強い味方『オゾン発生器』

<室内のオゾン発生器による脱臭作業事例>

作業人員1名
作業時間数日~
作業料金80,000円~+消費税

■4.リフォームをする

オゾン発生器による脱臭が効果的だとしても、その効果は完全ではありません。壁紙クロスや畳、フローリングに染みついたニオイは時間の経過によって再び湧いてくるものです。脱臭した後の壁紙クロスには、目には見えなくともニオイが染みついています。遺体発見現場が直のフローリングや畳であれば、次に使う方のためにも状態を問わず交換は必ずしておきたいものです。

【畳の交換】畳の交換時期ってどのくらい?具体的に何をして、いくらかかるのか?

<畳の裏返し、表替え、新床交換などの作業事例>

作業人員1名
作業時間半日
作業料金3,500円~+消費税


<クロス貼り替えの作業事例>

作業人員1名~
作業時間半日
作業料金1,400円/㎡~+消費税(諸経費別)


<フローリング貼り替えの作業事例>

作業人員1名~
作業時間1日
作業料金30,000円/㎡~+消費税(諸経費別)

■まとめ

いかがでしたでしょうか。原状回復にもその方法と順序が重要です。入室する人の健康被害が起きないよう、安全を最優先にして作業をすすめたいものです。便利屋アルファでは、このような孤独死の現場におけるトータルの原状回復のための作業を承っております。孤独死の現場でお困りの際はぜひご相談ください。


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