【遺品整理】【人形供養】【仏壇供養】2020年4月の合同供養｜便利屋アルファ日誌vol.153

1 2020年4月の合同供養の様子
2 ご住職のお言葉「なぜ供養をするのか」
3 便利屋アルファの遺品整理・終活整理をご利用ください
4 便利屋アルファがお困りごと解決します

2020年4月の合同供養の様子

便利屋アルファは、毎月1回、合同供養を執り行っています。
仙田陽高ご住職による読経とスタッフによる合掌焼香で、皆様よりお預かりしたご遺品やお人形、お仏壇を丁寧にお片付けさせていただきます。

ご住職のお言葉「なぜ供養をするのか」

ここで皆さまに、当社便利屋アルファの合同供養にて、読経いただいている仙田陽高ご住職のお言葉をご紹介いたします。

なぜ遺品をご供養するのか

栃木県真言宗豊山派安養院
仙田陽高　住職

『あずかりやさん』という小説があります。盲目の青年が、なんでも一日百円で預かる店を開く話です｡ただし期限までに取りに来なければ､品物は青年のものになってしまいます。
　作者の大山淳子さんがアイディアを得たきっかけは、離婚でした。独りで移る先は狭く、たくさんの物を捨てなければならない。けど全部、必要だから持っているのに……。頭を抱える彼女に友人が、「うちの二階で預かってやるよ」と申し出てくれた。すると憑き物が落ちたように楽になって、結局捨てることができたのだそうです。
　その話を聞いて私は、なるほど他人の物を預かることは重みを分かち合うことなのだと気づくと共に、あらためて遺品をお預かりしてご供養する責任を思いました。

今、終活に断捨離に片づけブームと、物を処分しようとする方が増えています。でもそれが遺品となると、おいそれとは手放せない。そこに故人様のなにかが残っているように感じるからでしょう。
　そんな時は、手続きを踏むことが大事なのだと思います。思い出の品々に感謝し別れを告げる手続き、それがご供養です。お経や修法は心と心(故人様とご遺族)のみならず、心と物(故人様と物、ご遺族と物)をつなぐ仲立ちとなります。
　心と物がつながると聞くと疑問を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちのご先祖はそうあたりまえのように感じていたようです。

　日本民俗学の父と呼ばれる柳田国男先生は、「何を怖いと思うか」に注目しなさいとおっしゃいました。日本にはカッパはいるけれど、アメリカにはいない。ヨーロッパにいるドラキュラは、東洋にはいない。それは民族ごとに、不運や理不尽に満ちたこの人生とどう向き合うのか、その姿勢が違ったからだと。だから幽霊や妖怪を研究することは、その国に生きた先人たちの精神構造ひいては自分自身を知ることにつながるという訳です。
　そういう視点から日本の『百鬼夜行絵巻』を見ると、実に興味深い。獣の妖怪もいれば草木の妖怪もいる。そして“つくもがみ”と呼ばれる草履や傘や楽器などのモノの変化がたくさんいて、全てが大河のように流れて行くのです。それはまるで「命ある“有情”も物である“非情”も混じり合い、入れかわりつつ、大きな流れを作っている」という日本人の無常観を表しているように思えます。
　そして妖怪たちの恐ろしくもどこかユーモラスな表情には「死へ向かって生きることは恐ろしい。でもいざ流れに身を任せてみれば、命とはしなやかで不思議で、そして面白いものだ」そんなメッセージさえ込められている気がします。
　そのような歴史的文脈からも、故人様の思い出がつまった物を処分する際は、ご供養という手続きを踏んだ方が良いのではないかと、私は思うのです。

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